エストロラボ・女性による細穴放電加工会社
昨日、東大阪・荒本にある「エストロラボ」という会社を訪問させて頂いた。同社は、女性だけでスタートした“ものづくり会社”で知られており、テレビ番組・ガイアの夜明けでも紹介された。私もこの番組を観て、是非いつかは訪問したいと思っていたが、三元ラセン管工業の高嶋さんのご紹介もあり、それが実現できて嬉しく思う。
同社の社長は、東山香子さん。現在、東山さんを含め社員7人(他にアルバイト)の小さな会社である。入口を入るや否や、元気な挨拶で迎えられた。皆で協力して明るく働いている雰囲気がすぐさま伝わって来た。
同社の創業は2006年3月。屋号『細穴屋』の名の通り、放電加工により金属に微細な穴を空けることを仕事とされている。用途はプリント基板などに使用される半導体を運ぶノズルの穴空けなど、他方面にわたる。
エストロラボという社名は、東山さんが以前、アルバイトとして勤めていた会社の社長名、東(イタリア語でエストと言う)とエストロゲン(女性ホルモンの名前)との二つを併せもった意味だそうである。
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東山さんは高校生の頃から、何か世の中に役立つことをしたいという思いを抱き、NGOやNPOの立ち上げを目指したこともある。青年海外協力隊にも応募し合格したが、訓練期間中に体調を崩し挫折。その時、手に職をつけようと職場を転々とする中で、金属加工会社でアルバイトをする機会があった。
創業のきっかけは、ある時、そのアルバイト先の社長さんから、女性だけで金属加工の会社を立ち上げれば話題になりそうだし、業界にも風穴を空けることができるのではないか、やって見ないかとの提案があったからである。当時、東山さんも金属加工の面白さに目覚めていたこともあり、この話に乗った。
その時、頭に浮かんだのは、同世代の女性から「女性は働きたいと思っても、子供の送り迎えの関係で残業はできないし、そんな女性を雇ってくれるところも少ない」という悩みだった。それならば、自分が会社をつくって、そのような女性を雇用することによって社会に貢献できるのではないかと考えた。
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創業したものの苦難の連続だった。注文も少なく資金が底をつきそうな時も、成功報酬を条件に仕事をさせてもらった時もあった。しかし、そのような地味な営業活動と、更にHPなどによるPRの結果、次第に顧客も増え、黒字も達成。現在に至っている。
東山さんの当面の目標は、「女性が働き続けられる職場づくり」で、具体的には30人程度の雇用(女性が主体だが男性も含めて)を目指すのだと言う。更にその先の目標は「途上国の人の役に立つこと」だと言う。東山さんの夢は続く。同社の更なる発展をお祈りしたい。
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