新年における大伴家持の気持ち
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。
毎年元旦になると、「万葉集」の最後を飾る大伴家持の歌が思い浮かびます。家持が天平宝字3年(795)の正月元旦、左遷され因幡守(鳥取県)となって迎えた賀宴において歌ったものです。
「新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)」
(新しい年の初めの初春の今日、めでたくも降る雪のように、いよいよ良いことが重なるように)、いう意味ですが、この歌は決して明るい雰囲気の歌ではありません。左遷され都から離れて淋しく暮らす家持が何か良い転機が訪れることを期待して歌ったものと想像されます(昔、正月に降る雪は、その年が、豊年になる前兆だと言われていました)。
いま、世界や日本において、必ずしも明るい将来的な展望があるわけではありません。世界的にみても、今後世界が良い方向に向かっていくと思う人たちが次第に少なくなってきているようです。しかし何とか、大伴家持のように希望だけは失いたくないですね。
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さて、話しが少し変わりますが、大晦日の紅白歌合戦では紅組が久し振りに勝利しました。嬉しいことです。たかが歌の世界とはいえ、白組が勝ち続けることは、望ましくないと思っていました。
全ての分野においても、双方がバランスよく均衡を保っている姿が自然な姿であると思います。また、この紅白歌合戦では、若い人たちの歌に混じって、美輪明宏「ヨイトマケの唄」、森進一「おふくろさん」、高橋真梨子「五番街のマリーへ2015」などの芯のある歌や、レベッカ「フレンズ」などの懐かしい歌を聴けて楽しく感じました。
写真は今日、近所の「阿比太神社」に娘夫婦、孫とお参りした時の写真です。参道は人の列が続いていました。
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