奈良・忍坂街道
“ まほろば ウォーク”で訪れた石位寺は、近鉄・奈良駅から歩いた忍坂街道に沿った静かな集落の小高いところにありました。そこにあった「薬師三尊石仏」は、白鳳時代(644年〜710年)に製作されたと思われる薬師三尊で、わが国では最も古い石彫りの三尊仏として『国の重要文化財』に指定されています。精巧で美しい石仏で、慈愛に満ちた仏の心が伝わって来るように感じました。
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忍坂(おっさか)街道は、古事記、日本書紀で知られる古道です。神話の世界の話ですが、神武天皇が宇陀からこの道を通って奈良盆地へ向ったと伝えられています。石位寺(いしいでら)は、いずれの宗派にも属さない無住寺で、近隣の住民の方が交代で維持管理をされています。普段訪れる人は多くはありません。
薬師三尊石仏は、方形の台座に腰掛けた如来形で、三尊とも薄い法衣を通して内部の肉体の起伏がよく現れており、布の質感も巧みに描かれています。作られたときは彩色されていたらしく、そのあとが像の唇と着衣にわずかに残っていて唇に紅をさした美しい石仏です。 石...仏の願主は女流万葉歌人・額田王(天武天皇の妃)で額田王の念持仏として作られたのではないかとの説があります。
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この忍坂街道に沿って、鏡女王(かがみのひめみこ)の万葉歌碑がありました。
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