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2017年4月

2017年4月27日 (木)

喜劇王・チャプリン制作「独裁者」のこと

先日、テレビで、喜劇王・チャプリンの映像を観ました。チャプリンと云えば、極右ナチス・ドイツを率いたヒトラーと同じ歳で、ヒトラーの絶頂期に敢然とファシズムを非難したことで知られています。彼が、映画「独裁者」を制作した時、ナチスからの妨害はいうまでもなく、ドイツを刺激したくない関係者からも圧力や脅迫が相次いだといわれています。

この「独裁者」のラストシーンでの、チャプリンの演説は感激的で、当時の人々を勇気づけました。「私たちは、他人の不幸によってではなく、他人の幸福によって、生きたいのです。憎み合ったり、軽蔑し合ったりしたくはありません」「(地球の)大地は豊沃(ほうよく)で、全ての人間を養うことだってできるのです」「独裁者というのは、自分だけは自由にするが、人民は奴隷にするのです」「世界の解放のために戦おうではありませんか。・・国と国との障壁をつくることなく・・貪欲や非寛容を追放するために」
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あれから80年経ちましたが、この演説は今でも“良心”をもつ人の心に響くものと思います。何故ならば、現在の世界にもまだ、多くの独裁者や極度の貧しさに喘ぐ多くの人々がいるからです。今、欧米で起きている右翼ポピュラリズムの嵐。つい先日もフランス大統領選挙で、リベラルなマクロン氏と極右のルペン氏との決選投票になりましたが、良識あるフランス国民が、マクロン氏を選んでくれることを期待しています。日本においては、極右組織・日本会議に支えられた安部政権が日本の右傾化を進めているのが心配です。
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歴史を学べば、何ごとも始まりの、小さな萌芽の中に危険な将来の結末が包摂されています。

私の敬愛すべき、作家・歴史家の半藤一利氏は、「今と昔では時代が違う」と言う人もいるが、私はそうは思わない。・・・戦前の日本はずっと暗い時代だったと思い込んでいる若い人もいるが、太平洋戦争が始まる数年前までは明るかった。・・・それが窮屈な世の中になるのは、あっという間だった。その時代を生きている人は案外、世の中がどのような方向に向かっているのかを見極めるのが難しいものだ」と。
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2017年4月22日 (土)

リヤカーを引いて徒歩で日本一周の旅人・鈴木康吉さんが、今、四国地方を歩いておられます

リヤカーを引いて徒歩で日本一周の旅人・鈴木康吉さんにお会いしたのは、下記の記事に記載の通り、丁度2年前、娘夫婦と箱根観光をした後、横浜にある彼らの自宅へ車で帰る途中でした。昔家族一緒に住んでいた保土ヶ谷にあるマンションに立ち寄りたいと思い、神奈川県の海岸沿い、国道1号線に沿って(箱根駅伝のルートでもある)大磯町に入った時、戦後の政治をリードしたあの吉田首相の住んでいた旧吉田茂邸がありました。

そこで偶然に鈴木康吉さんと出会いました。鈴木さんは、江戸時代、あの有名な伊能忠敬が日本地図を作るために歩いた道を、リヤカーを引いて徒歩で踏破すべく、愛知県のご自宅から出発されて間もなくの時でした。.

その後、鈴木さんは、2年前は東北、北海道を経て東日本を踏破、昨年は山陰、中国、九州を踏破、そして今年は3月25日に出発して、今、四国地方を歩いておられます。

その後は、紀伊半島を経て帰還?される予定で、これにより全国を海岸線に沿って歩いて踏破するという偉業を達成されることになります。
今後のご健闘をお祈りしたいと思います。

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2017年4月19日 (水)

”子ども食堂”について

一見繁栄しているように見える我が国には、社会の陰で格差に苦しんでいる人々が沢山いる。これを反映して、全国で子供の6人に一人が貧困だという。いわゆる相対的貧困世帯(3人家族の場合)の可処分所得は217万円未満。このような家庭の子供たちは全国に300万人もいる。このような子供たちのために、全国に300ヶ所を超す“こども食堂”があり、そこでは、使命感に燃えた天使のような篤志家の方々が尽力されている。

こども食堂のことについては、漠然と知っていたが、改めてあるテレビ番組でその実態を知り唖然たる気持ちにさせられると共に、このような“こども食堂”を支えておられる篤志家がおられることに感動した。
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 “こども食堂”は東京都大田区で生まれた。大田区で“こども食堂・だんだん”を営む店主の近藤博子さんは“こども食堂”の名付けの親である。(写真)

5年前に開設。毎週木曜日の夕方に食堂を開いている。近藤さんの本職は有機野菜などを扱うこだわりの八百屋さん。こども食堂を開こうと思ったきっかけは、近くの小学校の女性の先生の話だった。「うちの生徒の中には、給食以外は、一日をバナナ一本で暮らす児童がいるのです」と。聞いてみると母子家庭で、母親は病で伏しているというのだ。想定外だった。日本にはこのような子供たちもいるのだと。
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 そこで、何か、恵まれない子供たちの役に立ちたいと、こども食堂の開設を思い立った。店のコンセプトは、「こども一人でも安心して入れる食堂」だが、大人も沢山いる。近くのおばあちゃんも一人で来ている。孫がいないので子供たちと一緒にいるのが楽しいのだと。貧困の子供に限定せず来てもらうのが秘訣だという。子供は自分では困ったとは言わない。家の困ったことは隠す。親をかばうのだ。たとえば、朝ご飯を食べていないのに、食べて来たと言う。

 要は皆で食べてもらうことが大切。皆が食べられるようにすれば、本当に支援が必要な子供たちも拾える(救える)という考え方だ。献立は、月100円/子供。
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 こども食堂には行政から支援を受けているところもあるが、近藤さんのところでは受けていない。支援を受けると枠が生じる。たとえば貧困の程度に基準を設けるとかして、子供たちを区別してしまうことにつながるのだという。

近藤さんはアドバイスを求める人から引っ張りだこである。こども食堂は今、全国に広がっている。近藤さんの願いは、こども食堂がいらない社会になってもらえること。

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桜と ”もののあわれ”

<English follows Japanese>
今、日本は桜の季節の真っ只中にあります。満開のところもあれば、これから咲こうとしているところもあります。大阪・箕面の当地では、まだ満開に近い状態ですが、少し散り始めています。

桜の花の短い命に、我々日本人は「ものの哀れ」を感じますが、この「ものの哀れ」を外国の方に説明するのはむつかしいですね。今作成中の  “日本人の心”の中で、「ものの哀れ」を説明している一節です。
(桜が散っている写真はネットから借用しました。)...

<Pathos(哀愁=ものの哀れ:mono no aware)>
桜は初春、散る前のほんの数日間咲くだけである。この咲いてから散るまでの変遷に見る悲しい美が、「ものの哀れ」というものである。桜の花の短い命の悲しい美は、人間の短い人生の「ものの哀れ」に例えられる。平安時代に始まり、ものの哀れの多くの例を文学や美術に見ることができる。仏教の他力も、ものの哀れに影響を及ぼし、より宗教的な感情を与えた。ものの哀れは日本人の美感に深く染み込んだ感傷的な情緒の形といえる。

Cherry blossoms bloom for only a few days in early spring before being blown off the trees. The sad beauty seen in this transition is what is meant by (ものの哀れ).
As with the sad beauty of the brief life of the cherry blossoms, so it is with the (ものの哀れ) of the brief life of humans.
Starting in the Heian Period, one can see many examples of (ものの哀れ) in works of literature and art. The Buddhist concept of (他力)(other power) also came to influence (ものの哀れ), giving it a more religious feeling. (ものの哀れ) is a form of a sentimentalism deeply imbued in the Japanese sense of beauty.
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2017年4月10日 (月)

池田理代子さんのこと

先日、大阪の高島屋にたまたま立ち寄った時、劇画家・池田理代子(69)さんのデビュー50周年を記念する展覧会「池田理代子-『ベルバラ』とともに-」が開催されていた。池田さんと言えば、王妃マリー・アントワネットを描いた「ベルサイユのばら」で有名な方である。会場に入ると、入場者は全て女性ばかり、家内と一緒だからよかったが、最後まで私以外に男性を見かけなかった。
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さてこのことはさておき、「ベルサイユのばら」については、娘がそのマンガなどに熱中していたことは知っていたが、私は読んだことがない。ただ、娘が読んでいた遠藤周作著「マリー・アントワネット」を私も読んでいたので、若干は展覧会の内容および池田理代子さんの生き方に興味を感じた。

池田さんは、大学に入ったのは1960年代の学生運動が盛んな頃である。池田さんは親のスネをかじって親世代を批判するのは恥ずかしいと思い、家を出た。アルバイトをしながら貸本屋向けの出版社でマンガの修行をした。19歳でデビューしたものの、食べるものにも不自由する暮らしだった。それが今の自分を支えているのだという。マンガ誌に燦然と輝く「ベルサイユのばら」を描いたのは24歳の時。その時は締切りに間に合わせるため徹夜は当たり前だったという。

だが、人気が出た池田さんを待ち構えていたのは、足を引っ張る男性の評論家たちだった。「女がいつまでも仕事をするものじゃない」と。女性は結婚して家庭に入るのが普通で、社会に出るのが批判される時代だった。「幸せは自分で決める!」とその時思ったそうだ。
やりたかったことをやらないで、後悔したくない。それが音楽の道だった。45歳で決断。「夢を実現するチャンスは人生に1回来るか来ないか。わがままになって突き進んだらいい」と考え、47歳で東京音楽大学に進み、30歳近く離れた学生を一緒に学んだ。そしてソプラノ歌手としてもデビューした。

池田さんの夢を追い続ける姿勢に感動した。

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巧言令色、鮮なし仁

ある人が言っていました。「人は少しでも寂しくならないと、考えるべきことを考えないものだから」と。

人間、時には集団から離れて静かな場所で、独りで考えてみることも必要ですね。集団やその時の雰囲気で、空気に流されないようにして。特に今は春なのに冷え冷えとしたことが次々と起こり、日本の行く末が案じられます。独りで考えてみたいものです。

論語の中に、「巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すく)なし仁(じん)」という言葉があります。

口がうまくて、にこにこ笑ってお世辞がうまい人は、いい人のように見えるが、それは表面だけで、実際は人徳が殆どない人が多いものである、という意味です。勿論話し上手で仁徳の厚い人もいますが。

国会での政権党の政治家やその関係者の答弁を聴いていると、詭弁を弄し、話しをはぐらかしたりして、この論語の言葉がなるほど当たっているなあと思ってしまいます。

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冊子:日本人の心(The heart of the Japanese)

今、日本人の心(The heart of the Japanese)という冊子を作成中です。これは外国の方に、日本人特有の心(精神)や考え方について分かり易く説明したいという思いから、私自身の「虎の巻」として作っているものです(写真をご覧下さい)。

この冊子を作るに当たって、この種の書物が世の中にあるかどうか探してみたのですが、私の満足ゆくものはありませんでした。であれば、自分で作ってみようと思い立ったわけです。(勿論様々な書物を参考にしますが)

内容は、Harmony(和)、Entertaining a guest(おもてなし)から始まり、Discipline (修練)、Period(節目)、Obligation/Personal feelings(義理・人情)、Pathos(もののあわれ)、Transience(無常)、Enlightenment(悟り)、Shame(恥)、The beauty of simple(わび)、The beauty of decaying(さび)、Buddhism(仏)、Shinto(神道)など約55項目です。

ゆくゆくは外国人の方にも利用して頂けるように、最近知り合いにあったオーストラリアの日本文化・歴史研究家のJさんの協力も得て、英語表現の方をチェックして頂いた上、公にしたいと思っています。

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