”子ども食堂”について
一見繁栄しているように見える我が国には、社会の陰で格差に苦しんでいる人々が沢山いる。これを反映して、全国で子供の6人に一人が貧困だという。いわゆる相対的貧困世帯(3人家族の場合)の可処分所得は217万円未満。このような家庭の子供たちは全国に300万人もいる。このような子供たちのために、全国に300ヶ所を超す“こども食堂”があり、そこでは、使命感に燃えた天使のような篤志家の方々が尽力されている。
こども食堂のことについては、漠然と知っていたが、改めてあるテレビ番組でその実態を知り唖然たる気持ちにさせられると共に、このような“こども食堂”を支えておられる篤志家がおられることに感動した。
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“こども食堂”は東京都大田区で生まれた。大田区で“こども食堂・だんだん”を営む店主の近藤博子さんは“こども食堂”の名付けの親である。(写真)
5年前に開設。毎週木曜日の夕方に食堂を開いている。近藤さんの本職は有機野菜などを扱うこだわりの八百屋さん。こども食堂を開こうと思ったきっかけは、近くの小学校の女性の先生の話だった。「うちの生徒の中には、給食以外は、一日をバナナ一本で暮らす児童がいるのです」と。聞いてみると母子家庭で、母親は病で伏しているというのだ。想定外だった。日本にはこのような子供たちもいるのだと。
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そこで、何か、恵まれない子供たちの役に立ちたいと、こども食堂の開設を思い立った。店のコンセプトは、「こども一人でも安心して入れる食堂」だが、大人も沢山いる。近くのおばあちゃんも一人で来ている。孫がいないので子供たちと一緒にいるのが楽しいのだと。貧困の子供に限定せず来てもらうのが秘訣だという。子供は自分では困ったとは言わない。家の困ったことは隠す。親をかばうのだ。たとえば、朝ご飯を食べていないのに、食べて来たと言う。
要は皆で食べてもらうことが大切。皆が食べられるようにすれば、本当に支援が必要な子供たちも拾える(救える)という考え方だ。献立は、月100円/子供。
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こども食堂には行政から支援を受けているところもあるが、近藤さんのところでは受けていない。支援を受けると枠が生じる。たとえば貧困の程度に基準を設けるとかして、子供たちを区別してしまうことにつながるのだという。
近藤さんはアドバイスを求める人から引っ張りだこである。こども食堂は今、全国に広がっている。近藤さんの願いは、こども食堂がいらない社会になってもらえること。
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