天の香久山は、「春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香久山(持統天皇)」という和歌で有名ですが、古事記、日本書紀、万葉集など多くの文献に、神々や日本国創始との関わりが多く記されているように、実に神秘的な山でした。
山の中腹にある“天香山神社”のご祭神は櫛眞命(くしまのみこと)で、鹿卜(ろくぼく)占事を司る神です。これは、鹿の肩甲骨を焼いてひびの入り方 によって神意を伺う(吉凶を占う)ものです。国家の大事を判断する占いや、天皇陛下即位の大嘗祭に行われる神饌田卜定(しんせんでんぼくじょう)に関わる神として重んじられて来ました。本殿の背後には巨岩があり、古代祭祀の磐座(いわくら)の名残が見られました。
境内には“波波迦の木(ははかのき)”という珍しい木がありました。この木の別名は“うはずみ桜”ですが、平成2年の大嘗祭関連の諸儀では、宮内庁の御下命により、この木の皮を奉納し、雄鹿の骨を焼いて占ったということです。再来年の天皇陛下の譲位の際の大嘗祭でも、この木の皮を奉納し、どこの地域のお米を奉納するかを決めるそうです。
その他、香久山には、“月の誕生石”という民話で伝えられている花崗岩の巨岩がありました。これは月の足跡だと言われ、古代から信仰されて来たそうです。
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今回のウォーキング・ツアーでは、他にも、大和三山のあとの二つの山、畝傍山、耳成山の眺望、藤原京跡、万葉集で大津皇子が詠った“磐余の池”などの歴史的舞台が見られて満足感に浸りました。
最初の方の二つの写真が天の香具山です。
The other day I visited Mt. Amano Kaguyama(天の香久山) in Nara City which is a sacred mountain from old times. It is one of the three mountains of Yamato(大和三山) along with Mt. Unebi, and Mt. Miminashi. All of three mountains have elegant figures. Mt. Amano Kaguyama is famous for the following traditional Japanese poem:
“Harusugite natsu kinikerashi shirotae no koromo hosucho Amanokagu-yama (It seems that spring is over and summer has come, for the white robes, so it is said, are spread to dry on Mt. Amanokaguyama 『by Emperor Jito』)”









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