今年も、京都・高台寺で開催された早苗ネネさんの「“和歌うたコンサート”~愛と平和の祈り~」を家内と一緒に聴いてきました。当日1月8日の京都は、あいにく雨模様でしたが、それほど寒くもなく、ネネさんの清らかで、のびやかな明るい声を聴き、明るく楽しい一年の始めをスタートできたという思いです。
ところで、ネネさんの高台寺でのコンサートは昨年より始まりましたが、このコンサートのことを知ったのは、フェイスブックのお友達である森本紀美さんを通じてです。当日初めて森本さんにもお会いでき嬉しく思いました。...
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会場の高台寺・利生堂は一昨年末完成した八角形の建物で、小さいながらも、内部には釈迦の涅槃図や満月の美しい絵が飾られ、仏教世界の極楽浄土を感じるような雰囲気があります。そのような雰囲気の中で、万葉集の歌詞に合わせて、ネネさんが自らリズムを付けて創られた歌にうっとりとさせられました。
涅槃像を背景としたスクリーンに映し出される、万葉時代を思わせるような草花などの郷愁に満ちた映像が、万葉集の歌詞とうまく調和して、これまた素晴らしいものがありました。日本古来の美しい和歌文化を若い人たちに伝えてゆきたいというネネさんの心意気が強く感じられました。コンサートが終わってからも暫くその余韻に浸ることができました。
伴奏のピアノやバイオリン、ギター、共演者の “かとうかなこ” さんの、アコーディオンの演奏はネネさんの歌と上手く融合し素晴らしいものがありました。かとうさんのアコーディオンは、クロマチック・アコーディオンというもので、鍵盤でなくボタンを押して弾くもので、フランスの留学で学んだとの由、素晴らしい演奏でした。
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最後に、早苗ネネさんのことについて少し触れておきます。
早苗ネネさんと云えば、1968年から1972年にかけて、“じゅん&ネネ”のポップデュオで活躍されたグループのお一人の方です。「愛するってこわい」「みず色の世界」などのヒットが知られています。なお、このデュオは一旦解散しましたが、2003年に活動を再開しています。
ネネさんは今、お一人でも、すなわちソロでも、“和歌うた”という分野で活躍されています。そして一昨年12月には、「和歌うた 小倉百人一首」をリリースされ、そのCDが発売されました。和歌に興味がある私も早速手に入れました。これは百人一首を美しいメロディにのせて歌うアルバムをアナログ録音したものです。百人一首の全てを、風ものがたり、花のいろは、人の恋しさ、など15のジャンルに分けて取り込んだものです。
ところで、ソロの早苗ネネさんは、“和歌うた”などの活動を、沢山の人の助けを得て、草の根活動を通じてされているそうです。そもそもこのような活動を始めたのは、八丈島の定時制高校在学中、古文の授業で和歌に出会い、その後留学したハワイ大学で、自由表現の試験で和歌を即興で歌ったところ教授より絶賛されたことから、校内のピアノの前に座って、百人一首の数首にメロディをつけ始めたことから始まったそうです。その背景にはネネさんの様々な人生経験も影響しているようです。
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これからもライフワークとして、“いにしへ”の歌人の歌を現代のメロディにのせて歌ってゆきたいと言われています。全国の小中学校にも、この“和歌うた”のアルバムを進呈されているそうです。
ネネさんは歌を通じて、自然保護、エコロジー、戦争のない世界を希求し、講演やエッセイなどの著述もされています。
今回も、高台寺の演奏後、若者たちが乗る、ピースボートに乗って、オーストラリアまでの旅路を水先案内されると言っていました。
(三番目の写真は昨年のものです。今年もコンサートの最初に、高台寺の住職さんが挨拶されました)





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