連日、嫌韓を煽る安倍政権とこれに追随するメディア・コメンテーター
連日嫌韓を煽る安倍政権とこれに追随するメディアの報道にうんざりする毎日ですが、丁度これについて発信したいという気持ちになっていた時、作家・室井佑月さんの記事に出会いました。そこで室井佑月さんの記事を引用させて頂きたいと思います。
作家・室井佑月さんは、連日続いている嫌韓を煽るようなニュースやコメンテーターに苦言を呈してします。
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・・・文大統領の側近のスキャンダルだが、それがこの国のあたしたちにどう関係があるのか?韓国の大統領側近の国内での不正は、韓国の人々がどうにかする問題である。この国の政治家の不正や不祥事をまんまと見逃しておいて、こういうのを「人の蝿を追うより自分の頭の蝿を追え」というのだ。しかし、こういう意見をいうと、この国の一部から「韓国擁護」といわれ、それは「反日」という罵り言葉へつながってゆく。
あたしはべつに韓国を擁護していない。叩いたりもしていない。人種や個人をひとくくりにしていうのはおかしいと思ってるだけだ。ただし、この国の人間として、一部の人間の行き過ぎた行動を恥ずかしく思う。だから、そう言う。
日本人の旅行者が韓国人男性に暴行されたとき、韓国の人たちの間で、「おなじ韓国人として恥ずかしい」という真っ当な声があがった。それとおなじだ。なぜ、嫌韓を煽る人々は、逆にして考えてみるという簡単なことができないのだろうか? 視聴率だか安倍政権への忖度だか知らないが、連日嫌韓を煽るメディアにあたしはいいたい。これ以上は、もうやめてください。ほんとうに辛い。観ているだけで苦しい。
この国にいる韓国の人、もしくはその流れをくむ人、パートナーや友人が韓国人という人が、今、どういう気持ちでいるか? いいや、韓国と関わりがあるとかないとかは関係ない。
学校や職場で陰湿ないじめがつづき、自分は加害者でも被害者でもなければ、心に傷はつかないといえるのだろうか? 親のDVに遭った子どもの、まったく被害を受けていなかった姉妹や兄弟は平気であるといえるのだろうか?
おなじことじゃん。この国の人間は、みんなこの問題の当事者だ。
『週刊朝日 2019年9月20日号』
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韓国とは隣国であり仲良くしたいものです。室井佑月さんが指摘するように、ここしばらくの間、連日嫌韓を煽る安倍政権とこれに追随するメディアの報道を見ていますと目に余るものがあります。勿論メディアやコメンテーターの中には、嫌韓一方的でなく、安倍政権側の非についても触れている良心的なものもあります。
そもそもこのような日韓関係のこじれには、日本が韓国を侵略したという歴史的事実があります。日韓双方は、この問題について長年に亘って幾度も解決策を模索して来ました。そして例えば、韓国への謝罪が河野談話の形で示され、大枠な補償方法も双方の努力と妥協で解決を見たこともありました。しかしながら、このような解決をなされた直後、自民党右派系の人物により、韓国侵略を正当化する発言が出たりして、交渉は振り出しに戻りました。
最近の日韓関係の悪化は、安倍政権であるが故の関係悪化であるように思われます。歴代の他の首相であれば、こんなに酷い事態にはならなかったでしよう。歴史修正主義者である安倍首相の存在そのものが問題です。先日ドイツの大統領がポーランドで行った演説のように、加害者は被害者に過去の行為を永遠に謝罪し続ける心が欠かせません。過去の歴史への反省を忘れてはなりません。
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