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2020年7月13日 (月)

「侘び然び」とは? 両者の違いは?

<「侘び・寂び」とは? 両者の違いは?>
What is Wabi&Sabi? What is the difference between them?

「侘び・寂び」は、日本人なら誰でも知っている言葉であるが、その真の意味はあまり理解されていないのが現状であると思う。ましてや外国の人に説明するとなると、難しさが増す。今、まとめようとしている本(日本語&英語)の中でも、「侘び・寂び」について触れるが、私が納得できると思った説明の概要の一部を記したい(この内容は、添付の写真にある森神逍遥氏の著作に基づいている)。

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多くの日本人は、「わびさびとは何か」と問われた場合、「侘び寂び」の心とか感性は何となく身についてはいるものの、外国人に聞かれて明確な言葉で説明できないのが現状である。というのは、日本人は知的な言葉で、これについてしっかりと学んだこともないし、また学ぶべき書物もないからである。

さて、「侘び、寂び」とは何かであるか? 簡潔に述べると、「侘び」は貧困から出てきた概念でその貧困性のなかにある枯淡の趣を見出すことで生まれてきた美意識である。言語的には「わび」とは、自分の意の儘にならぬ様を言い、悲観する、辛く思う、寂しがる、困窮する、などがイメージされる。ただ「わびしい」だけでは侘しいから、その状況を克服する形で見出されてきたのが前向きな諦めであり、いまを足る知足の意識だった。それはその人物の心に誇りを与えることが出来た。我が国には「清貧」という言葉があるが、この清貧という言葉こそ、侘びを最も的確に表現するものの一つと言える。この言葉には貧しくとも心豊かに、苦悩しながらも清廉潔白に生きる姿が思い描かれる。侘びを貧乏からの卑しい思想と言う人がいるが、そんな人は風雅を理解できない人である。貧しい、着る物もない、食べるものすらない、という侘しさが高い知性によって深められ、達観によって昇華されていく。それこそが「侘び」の世界である。この侘び感を味わい得ることが出来ない人に、坐禅はできない。侘び感には諦めが求められるからである。
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これに対し、「然び」は、古めかしい、老いてゆく、閑寂さなどから出てくる美意識である。「然び」は内側から価値あるものが滲み出る意味で、また寂しいの寂びでもある。一般には仏教の影響もあって、寂の字を用いる。元々は、「さぶ」(荒(さ)ぶ、然(さ)ぶ、寂(さ)ぶ)という、荒れる、古くなる、苔むす、色が褪せる、寂しく思う、などがイメージされる語である。この「然び」には、もうひとつ、金属が錆びるの錆びの意味合いがある。だから、錆びついていく、古めかしくなっていく、「渋み」が出た骨董品という意味合いがある。しかし、「然び」という時には、単なる侘しいとは異なる、“寂しい”という意味がある。しかし「然び」に、この「渋み」の意味が加味されたことでにより、後世この概念が重要な美意識となって文化人を魅了することで、「侘び然び」を低次元へと引き落とすことになった。

何故ならば、「侘び然び」の本義が理解できていない文化人の大半が、手っ取り早く、誤解して持ち込んだのが「渋み」であった。しかしこの誤解こそが後に「侘び然び」を世界に広めるきっかけとなったのだから、皮肉なものである。この誤解された「渋み」は「カッコイイ」に過ぎなく、真実の「渋み」とは違うのである。その意味で、利休の大成した「侘び茶」は不自然なものである。しかし、その様式美は評価されてよい。しかしこの辺りから、「然び」は表面的な美意識を強調するものになってしまし、本来の価値を見出さずにいるのではないかと、森神逍遥氏は述べている。

「然び」は「侘び」を背景として人々の目を慰めるものと考えればわかりやすい。例として、「みすぼらしい一軒家(侘び)に漂う香のかほり(然び)や鮮やかな一輪挿し(然び)」から感じられる風情を思い浮かべると、「然び」と「侘び」の関係が理解しやすい。・・・・・・・・

・・・・・・利休が追求したのは侘びを演出として用いた「然び茶」であったと森神逍遥氏は述べている。・・・・・森神逍遥氏は、「さび」は「寂び」と書きならわす習慣があるが、「侘び」と「寂び」に明確な差異を付けるには、「然び」の方が妥当だと述べている。

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