自由な香港の終焉。香港は、中国は、どうなるのだろうか?
香港民主化運動の女神と言われた周庭(Agnes Chow)さんが、中国共産党政権の独裁者・習近平による「香港国家安全維持法」の一方的制定を受けて、運動から退き忽然と消えた。
彼女がツイッターで呟いた最後の言葉、「絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。生きてさえいれば、希望があります」は痛々しく私の胸に響いた。
昔のことになるが、米ソ冷戦が終わり、東欧の全体主義国家が崩壊した時、人間社会は良い方向に向かうだろうと言われていた。しかし今は悪化の一途を辿っている。安倍政権下の日本、トランプ政権下のアメリカ、そして香港、中国、ロシア、等々も含めて。
=================
香港はこれからどうなるのだろうか、また中国そのものはどのような道を歩むのだろうか?このまま行けば、習近平がますます権力を掌握し、中国社会は密告政治による監視社会の様相を強めるだろう。中国国民は、政治的に自由な発言は厳しく取り締まられているが、いくらお金を儲けて金持ちになっても全くお咎めがないという。このように諸事に何の疑問も呈さず、人生における何らかの目的もなく、ただ政府の言いなりになって、平凡な生活を送るだけでの、監獄にいるような、檻の中に入れられた動物のような生活に、中国国民は満足できているのだろうか?
中国共産党の中には、習近平とは異なった意見を持った人間的な人物も多くいるはずである。彼らの中には、「市民の自由がない社会に活力は生まれない。いずれ世界の潮流からかけ離れ、取り残される。監視社会の下では、人々の創意は失せ、文学や哲学などの人間性を高めるに寄与する学問の価値は無視され、その結果、芸術などを含む文化的活動は死滅するだろう。その結果として、経済そのものも行き詰まるだろう」と語る人もいる。
かつて中国にも民主化のチャンスはあった。ソ連において、ゴルバチョフ氏が1965年以降、ソ連の民主化を進めた後、1986年、総書記に就任した胡耀邦氏とその後に就任した趙紫陽氏は民主化を進めたが、鄧小平ら保守派の抵抗に遭い失脚。その後、天安門事件が起こり、民主化運動は弾圧された。この時、民主化がそのまま進んでいれば今の世界は大きく変わっていたであろう
中国の改革は、内部からの良心的人物の台頭による民主化以外は不可能であろう。習近平の失脚と良心的人物の台頭は、それほど遠くない将来、実現するのではないかと期待したい。
===============
中国は今、コロナ感染により世界に甚大な被害を与えたにもかかわらす、謝ることもなく、一帯一路などと称して、自国内のチベットやウイグルは言うに及ばず、世界を制覇しようと、覇権主義を剥き出しにしている。世界は強調してこれに立ち向かわなければならないが、本来なら、ある程度頼りにするべきアメリカだが、トランプという、知性に欠け、金が全てで、自由とか人権には全く関心を持たない愚かな人物が大統領である間は多くを望めない。いち早い民主党バイデン氏の大統領当選を期待したい。そして日本ではトランプとよく似た人物・安倍首相の早期の退陣が望まれる。
| 固定リンク
「2.日記・随想・歴史紀行・音楽」カテゴリの記事
- 強行された五輪ではありますが、懸命に頑張っているアスリートには敬意を表したい(2021.07.27)
- 相撲道を守るには How to keep Sumo-do(2021.07.20)
- 大谷翔平さんはなぜ、皆に愛されるのだろうか(2021.07.14)
- 現代人が留意すべきこと(2021.07.10)
- テイカカズラ(定家葛)(2021.06.16)
コメント