音楽

2008年4月22日 (火)

瀬戸内寂聴さんに学ぶ

瀬戸内寂聴さんは、現在84歳。老いてますますお元気である。

僧職になって34年。京都にある寂庵で、月に一度、法話を行っているが、多数の聴講者が訪れる。そして多くの人の人生相談にのっておられる。

徳島県出身だ。私財を投入した地元の文学館の館長も勤める。阿波踊り“寂聴連”にも参加している。とても84歳とは思われない。

寂聴さんによると、自分が何かの役に立っていると思うことが生き甲斐である、と言われている。文化勲章も受章されたが、この受賞は文学ではなく生き方を認められたこと故の受賞だと喜んでおられる。

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寂聴さんは70歳になって、「源氏物語」の現代語訳を始めたという。なぜこの翻訳の仕事を始めたのか? それは15、6年前当時の日本が急速に力と自身を失い始めたからだそうだ。

それまで、世界でトップクラスを保ったきた日本が政治的にも経済的にも先進諸国の中でも下位に落ちてしまった。

そのような状況の中で、作家である寂聴さんは、作家である自分は社会のために何ができるかを考えたという。日本人一人ひとりに自信を取り戻したい。その答えが、世界に類のない千年前の「源氏物語」の凄さを知ってもらうことであった。

このような小説を、千年前に日本人が作ったのだ。自分の国に誇りを持ってもらいたい。そして次の世代に文化を残すのが私たちの務めです。と寂聴さんは言う。

更に、寂聴さんの言葉を続ける。
「自信を失うと、人は目先のことに振り回されるようになる。簡単にもうけることばかりを追い求め、そこに哲学がなくなる。

何の為にそれをするのか、自分の仕事がどう役に立つのか、見えないままに走る。末梢的なことにしか反応しない今の日本は、やはり考え直さないとつまらない選択をする羽目になる。

もうかるから、需要があるからと武器を作り、売りさばいている大手企業もある。自分の作る製品が殺人の材料であることを知っていながら目をつぶるという経営でいいのか。仕方がないというのではなく、哲学としてどうか、と考えることも大切である」と述べられている。

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寂聴さんの言うように文化を守ることは大切だ。文化を失うことは、人生の生き方、企業経営の仕方、政治の仕方、など全てに対する哲学的な思考を貧しくし、国家の品格を落とす。

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先日、私は寂聴さんの源氏物語を読もうと、とりあえず講談社の文庫本10巻の内、2巻を買ったところだ。少し読み始めたが、後ろに「源氏のしおり」と「語句解釈」がある上に、現代語で書かれているので読みやすく且つ理解しやすい。これなら最後の10巻まで読破できそうだ。

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